日刊ヘルスビジネスサポーター特別版(2005年11月15日号)
「商品物語」〜すべての商品に物語り有り〜より転載


細かいニーズを逃さない!
情報交換の場でつかむ ヒット商品開発のヒント

新商品開発のヒントは意外に身近にあるものです。例えば人との会話の端々に。だから私は異業種交流会などを見つけては足しげく通っているのです」。そう語るのは志賀商事(東京都江戸川区)代表、志賀弘社長。
「何か売れるものを作れないか?自分の頭だけで考えても、よいアイデイアは生まれません。こんなものがあったらいいのに…という何気ないつぶやきに大きなヒントがかくれているのです」と志賀社長は言う。

長年商社マンとして活躍してきた。その根幹には「ニーズに基づいて、ゼロから商品を創出する」という気質が染みついている。今売り出し中の商品は、高齢者向けの転倒防止用スリッパ『イルカ』。この商品も志賀社長が異業種交流の中で二ースを探り当て、人と人とのつながりを紡いで生み出した産物だ。今回の「商品物語」では『イルカ』や、その他多くの出会いによって生まれた同社のアイディア商品にスポットをあてた。


-----『イルカ』誕生のきっかけは?

志賀 様々な講演会や異業種交流会などに出席するうちに目にとまった東京都老人総合研究所の調査発表。それは現在、介護を受けている高齢者の多くが、病気による治療よりも、つまずいて転倒、骨折したことが原因であるという事実で、それを知った時は衝撃を受けました。

「なぜもっと転ばないようにできないのか…」、と一瞬考えてしまいますが、高齢者にとってそれは無理もない話。一般的に健常者が歩行する時は、足のつま先が地面より自然に5p以上あがり、段差等でつまずくことはありません。ところが、腰痛や膝痛など抱え、「スリ足」になった高齢者は、わずかな段差にも簡単につまずきやすく、転倒しやすくなるというのです。そこで大きな二ーズを感じとったわけです。どうしても「スリ足」になってしまうなら、着用する靴、また室内ならスリッパなどのつま先をはじめから数センチあげておけばいいのではないかと考えたのです。そして「転倒防止用スリッパ」の開発を始めたのです。


-----開発の経緯は?

志賀 もちろんアイディアが出たからといってすぐに商品化となるわけではありません。しかしこの商品の二ーズは果てしなく大きく、社会的にも大変意義のあるものだと確信していましたから精力的に動きました。

まずは片っ端からスリッパ業者をあたって、つま先が6センチくらい、さらにカカトが3センチくらい上に反り上がった靴底のカタ作りを相談しました。ところが業者からかえってくる答えは「こんなもの商品にならない」という台詞ぱかり。あまりにも断られ続けたので「もうダメか」と思うときもありましたが、やはりこの商品が完成すれば必ずニーズがあるという気持ちや、また膨張する医療費や介護保険料の削減にもつながるのだという社会的意義の大きさ後押しされて「もうひとふんばり」と頑張りました。そこで頼りになったのが異業種交流で培った人脈でした。なんとかカタをおこしてくれる業者とめぐり会い商品化へ。


-----多くの工夫が施された商品ですね。

志賀 この『イルカ』には反り上がった靴底の他に、もうひとつの特徴があります。室内で転倒する原因として「スリッパが脱げやすい」というのも挙げられていますので、カカトの部分にゴムの「安定帯」を付けて「脱げにくいスリッパ」にしたのです。

購入いただいたお客様からは期待通りの言葉をいただいています。やはり「室内で転ばなくなりました」と言っていただけるのがなにより嬉しいですね。


-----今後の展開は?

志賀 『イルカ』は現在「ユニバーサルデザイン」取得への申請中です。とにかくこの商品をより多くの人に広めて、高齢者の転倒の防止に役立てていただきたいですね。それが医療費、介護保険料の節減につながれば何より嬉しいことです。これからも細かい二ーズに敏感に、人の役にたつ意義のある商品開発を行っていきます。


転倒防止用スリッパ『イルカ』。 反り上がった形がイルカに似ているからということで名づけられた。高齢社会の二一ズにマッチする同社の主力商品。口コミなどで知名度もジワジワと上昇中。

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